2012年5月22日の住宅新報に「中古市場倍増へ 国土交通省プランを読む (5) 中古住宅瑕疵保険の加入率20%に 消費者PRをどう進めるか」というタイトルで、リニュアル仲介に関する記事が掲載されました。


 〝2020年度までに中古住宅流通量に占める瑕疵(かし)保険加入の割合を20%とすることを目指す〟

「認知度が課題。瑕疵保険について消費者から尋ねられることはほとんどない」(横浜市のリスト流通事業本部流通営業部の鎌田友和部長)、
「消費者は知らないで、選択していないのが現状」(仲介業とリフォーム業が連携しつつ、瑕疵保険などを付帯して中古販売を行うリニュアル仲介の西生建代表取締役)。

制度開始から約2年。中古住宅用瑕疵保険は現状、普及率が1%に満たないと言われる。その背景として消費者認知度の低さが指摘されている。供給する住宅専門の保険会社(保険法人)の反省の弁としても聞かれる課題だ。

「商品のPRが十分にできていない」(住宅保証機構の青木伊知郎経営企画部長)、
「購入者の方がメリットを感じていただき、オーダーしていただく流れに持っていく必要がある」(日本住宅保証検査機構の西山祐幸執行役員)

<政策や事業に組み込む>

ではどう、認知度を向上させるか。瑕疵保険を積極的に活用するリストの鎌田部長は、「国交省認定マークを作って欲しい」と提案。消費者の目を引く後押しを期待する。

また、中古流通の流れや政策に組み込み、購入の機会に目に触れるような仕組みを拡大していく必要性を指摘する声は多い。

リニュアル仲介の西生代表取締役は、「(ローン利用の要件にするなど)仕組みなどで義務付けるといった形が必要ではないか」と話す。

仕組みでの普及は、供給側の住宅保証機構も重視する点だ。特に、「中古流通ビジネスに組み込めるような連携を増やしていく形が良いかもしれない」(青木経営企画部長)と話す。実際、住宅保証機構はこのほど、リフォーム時に全体の構造や雨漏り部分を検査、保証する保険商品を開発した。センチュリー21などが開始予定のリボーン住宅(中古流通+リフォームを核とした連携ビジネスモデル)での利用が予定されているという。

制度を所管する国土交通省も、連携ビジネスに組み込む形は消費者認知向上の鍵と見る。同省住宅瑕疵担保対策室は、「連携を構築しようとする方々の動きを捉えて、PRしていきたい」と話す。

住宅瑕疵担保対策室は加えて、地方自治体でも活用されるような流れを作りたい考え。「自治体が住宅政策を考えるうえで選択肢になるよう、情報提供を進めたい」という。

<認知から普及へ>

一方、認知度向上から普及を見据えると、消費者の目に触れる機会に、制度の必要性をいかに伝えられるかは重要だ。どれだけの役割を果たすのか。そこで、これまでに瑕疵保険が付けられた中古住宅の状況を見ると、既に瑕疵が発生し、保険金が支払われているケースはある。

日本住宅保証検査機構の西山執行役員は、「制度開始から日が浅く統計的には不十分なデータだが、引き渡し後1年だけの事故率を比較すれば、新築よりも1桁多い状況」と説明。「中古住宅は経年劣化が進んでいるため早く瑕疵が表面化しやすいからだと思われるが、この点を見ても中古住宅の購入はリスクが高い。瑕疵保険の役割が新築以上に高いと言えるのではないか」と続ける。今後のデータの蓄積は、認知から普及へ大きな役割を担いそうだ。

普及へは、商品性の問題も残る。特に、マンションの戸単位対応は大きな課題だ。保険加入にはマンション全体の検査が必要。数十万円となるこの検査費用をどう低減していくか。保険法人では検討が続けられている。

認知度向上から必要性を示すデータの蓄積、更に商品性の問題。目標達成へ課題はまだまだ多い。 (葭本 隆太)