災害リスクを知ることが大切です
3.11の衝撃
2011年3月11日、東日本を中心とした大災害が発生しました。この災害は住宅購入の在り方についても、既定の概念を崩すほどの衝撃でした。
東北の沿岸部では津波による甚大な被害を被りました。千葉県浦安市では長期地震動による地盤の液状化被害が見られました。これらの被害を”天災”でまとめてしまってはいけません。津波も地震も雨季に見られる洪水も、政府による被害予想が作成されており、その情報はインターネットで誰でも簡単に見ることができるのです。
住宅購入の”場所”を選択する判断材料はたくさんあります。勤務地への距離、学校区と通学距離・安全性、買い物・病院などの利便性・・・。でも一番大切なのは、”災害に強い土地”かどうかなのです。
津波被害は神社までだった
東日本大震災で奇妙な事例が報告されています。津波の被害が各地域の神社までとなっているのです。ここで神様が守ってくれたとファンタジックに考えるのは間違いです。津波や地震はある程度の周期で定期的に発生します。甚大な津波被害にあった東北地方も過去に幾度となく同様の地震が発生し、津波被害を被っています。つまり、前回の津波被害で浸水しなかったところまで神社を移し変えてきたというのが事実なのです。地震・洪水・津波・火山・・・。日本は災害大国です。過去に発生した災害は貴重な文献などによって後世に伝えられています。その形の一つがハザードマップなのです。
本当の土地選びをしましょう!
ハザードマップを見ると、その土地がどれだけのリスクを抱えているかがわかります。やむを得ずその土地を選択する場合でも、どのような災害に見舞われる可能性があるかを知ることは大切です。不動産業界は地域密着型の業界です。ですので、危険地域の事業者は、ハザードマップのことは知りつつも、宅建業法上では告知義務がないため、皆一様に口を閉ざしてしまうのです。商売が成り立たなくなるからです。
少し前、阪神淡路大震災の被害を私たちは目の当たりにしました。今回の震災でも買ったばかりの住宅が被害を受けて住めなくなったという事例はたくさん報告されています。
買ってすぐ被災して住めなくなる・・・。(もちろんローンは残ります!)これ以上の悲劇はありません。住宅に必要な要素は、いかなる時にもそこに存在し、家族を守ってくれることです。趣味趣向や利便性を重視して、大切な土地選びを疎かにしてはいけません。