2012年5月8日の住宅新報に「論考 不動産業の現代的再生論 地域経済担う主役へ 〈上〉 住まいの総合コンサルタントに」というタイトルの記事で、リニュアル仲介が紹介されました。


 積水ハウスは4月15日、中国・瀋陽に完成した自社工場で鉄骨住宅の生産を開始した。日本の工業化(プレハブ)住宅が初めて、本格的生産を中国でも始めたことを告げる記念すべきニュースとなった。

同社は、今後瀋陽市や蘇州市で手掛ける大型都市開発プロジェクト向けの次世代省エネ住宅(両市で約7000戸)の部材をここから供給する。立地されたのは発展中の新産業都市だ。海外事業の拡大は和田勇会長の最重要指令とも言われている。

ちなみに、土地所有権を認めない中国。「不動産ディベロッパーは進出しにくくても、ハウスメーカーならメリットが大きいのでは」(業界関係者)との指摘もなされている。

さて、大手企業を中心に海外進出が目立つ住宅・不動産業。国内需要は本当に先細りなのだろうか。全体のマーケットが縮小していくことは確かだとしても、業績を伸ばす企業や商品は多数存在する。

<商品力の時代>

例えば、積水ハウス(1月決算)のシャーウッドは木造住宅ブームを背景に2年連続増加だ。積水化学工業住宅カンパニー(3月決算)も売上戸数を10年度12620戸↓11年度13240戸↓12年度14350戸と順調に伸ばしている。省エネ志向の高まりを背景に、ソーラー発電装着率が8割以上という同社の強みが発揮されている。

つまり、これからは商品力の時代である。商品に魅力があれば、急成長も夢ではない。そもそも最大手の積水ハウスでも、住宅着工全体に占める住宅供給比率は5.4%。まして中堅・中小企業が全体マーケットの逓減縮小を議論する必要はないのではないか。

逆に言えば、今後市場が拡大すると見られるリフォームも、企業競争は商品力次第ということになる。

リフォーム市場の今後を占う最大のポイントは「リフォーム工事は、設備の交換から耐震改修まで、工事の規模も内容も様々であり、また複数の工事を組み合わせて実施することも多いことから、工事費用を一概に比較できない」(国土交通省『中古住宅・リフォームトータルプラン』)という点である。

最大のシェアを持つ地域工務店が、今後も価格と施工品質の透明性(信頼性)を確保しきれない状況が続けば、大手企業がそのブランド力で参入を加速させてくるのは間違いないだろう。

<リフォームの行方>

大手の参入許さじと、宅建業者と独立系工務店とが連携する動きも始まっている(リニュアル仲介、センチュリー21・ジャパンなど)。

国土交通省も、
(1)リフォーム瑕疵保険の普及促進→平成32年度までに構造・防水部分のリフォーム工事について保険加入率30%
(2)中古住宅売買瑕疵保険の普及促進→平成32年度までに保険加入率20%
(3)既存住宅を長期優良住宅として認定・評価するための基準、評価手法の整備を平成25年度までに整備||など様々な対策を打ち出している。

<注目すべきは、宅建業者と、リフォームなど関連業者との連携強化による流通>

市場拡大を狙っていることである。ただ、「中古住宅流通・リフォームの担い手強化」という視点からのみ宅建業者のコンサルティング機能向上(関連事業者との連携強化)を謳うのはおかしいのではないか。

国民のあらゆる住宅ニーズの受付窓口として宅地建物取引業者を位置づけることこそ肝要ではないか。

蛇足だが、日本経済の課題の一つは地方都市経済の再生だ。需要の創出を図るためにも、住宅や店舗、ビルなどの不動産に関する潜在的需要に地元の宅建業者が的確に対応し、地域事業者との連携を強化していけば、地域経済の活性化につなげることができる。

不動産業は地域を支える基幹産業となり得る。ただし、そのためには宅建業者が、住まいのホームドクターになるという覚悟が必要だ。(本多 信博)