2012年4月10日の住宅新報に「中古市場倍増へ 国土交通省プランを読む (3) 優良中古住宅の認定制度 リフォーム魅力PRや宅建業者機能も重要 価格査定もカギに」というタイトルの記事で、リニュアル仲介が紹介されました。


 〝既存住宅を長期優良住宅などとして認定・評価するために必要となる基準や評価手法などを整備する〟

 13年度までのスタートを目指す優良中古の認定制度。国土交通省は評価項目や基準の検討を進めている。項目は、現行の長期優良住宅制度で求められているものがベース。特に、国交省住宅生産課は「長く使っていくことなどを考えれば、劣化対策や耐震性、省エネルギー性などは欠かせないだろう」と話す。求める具体的なレベルは未定だが、対象とする住宅の間口をどの程度にするか、市場の動向なども踏まえつつ、検討するという。

 制度構築の背景には、中古住宅ストックの質向上に加えて、中古流通を契機にしたリフォーム市場活性化といった狙いもある。認定住宅には、税制優遇などのメリットを与える方針。1つのラインとなる認定制度を、一定の性能向上を図るリフォームの動機付けにしたい考えだ。

 しかし事業者からは、性能向上リフォームと市場活性化は必ずしもマッチしないのではといった意見が聞かれる。

<投資は見た目優先>

 「リフォームによって消費者が生活空間をオンリーワンにできる魅力をPRしていくことが先決で、そこに付随して質の向上を取り入れるのがベターではないか」

 神奈川で仲介を中心に展開する三春情報センター(横浜市)は中古流通を契機にしたリフォームについてそう話す。中古流通に合わせたリフォーム提案を行っている同社。中古購入者のリフォーム需要は生活空間形成がメーンで、性能向上リフォームは費用負担が大きいこともあり、実施されづらいという認識のようだ。

 同様の意見は、リフォーム業従事者からも聞かれた。 リフォーム関連企業の全国組織、日本増改築産業協会(ジェルコ)の副会長を務めるリフォームデザイン(横浜市)の中山信義・代表取締役は、「生活者視点で市場活性化を考えれば、見た目の変化の方が需要を喚起する力がある」と指摘する。

 ただ、性能向上リフォームもPR次第では需要につながると見る。例えば、省エネ性能。「室内での快適性につながるなど生活者が入りやすい形で伝えられれば、喚起できると思う」(中山氏)と話す。

<重要な窓口の役割>

 性能向上リフォームを行うメリットをいかに伝えるかが大きな要素になるという声は多い。特に窓口となる仲介会社の期待は大きい。

 仲介会社とリフォーム事業者などが連携して中古住宅販売を行うリニュアル仲介(東京都新宿区)の西生建・代表取締役は、「仲介会社が、性能向上リフォームをすることで税制優遇などのメリットにつながるということを買い手側に伝えられるかが重要」と強調する。そのうえで、「しっかり伝えられれば、認定制度は十分なリフォームの動機付けになり得る」(西生氏)と続ける。

 国交省では、中古流通活性化へ宅建業者のコンサル機能向上の議論が続いているところ。住宅の質という専門性の高い分野ではリフォーム業などとの連携で消費者に訴求していくといった体制構築も含め、窓口となる仲介業者の力は、認定制度活用の面でも大きな要素となりそうだ。

<価格査定もカギに>

 「投資する以上のメリットがなければ使われない」(国交省住宅生産課)

 認定制度を活用するメリットは何か。税制優遇や省エネ性能向上による快適さ、耐震性向上による安心安全などが考えられる。

 そしてもう1つ大きな軸になり得るものがある。性能向上に伴う資産価値の高まりだ。中古住宅の評価は、「質の向上が価格向上につながるような査定が、デファクトスタンダード化していない」(前出の西生氏)のが現状だ。

 国交省ではこの点も問題視しており、現在、価格評価のあり方の検討が進められている。優良中古の認定制度の利用動向や性能向上リフォームの活性化は、こうした動きもカギを握りそうだ。 (葭本 隆太)